ポイントは「早寝・早起き」「メディア利用を減らす」
丹波篠山市は、子どもたちが夢をもって健全に育つために、その土台となる基本的な生活習慣づくりを大切にしています。そこで、幼児や低学年児童の生活習慣の状況を明らかにすることを目的として、5月末に調査を実施しました。 令和3年度は、市内在園の3歳児、4歳児、5歳児をもつ保護者と市内小学校1年生及び2年生をもつ保護者に回答をお願いし、1,351名分の回答をいただきました。令和3年度調査では、感染症対策等による日常生活の変化が、幼児・児童の生活習慣にどのように影響しているかをみるため、昨年度の数値と比較して調査結果を示します。
■幼児(3,4,5歳児)の調査結果から(単位:%)
◇ 9割以上の幼児が毎日同じぐらいの時刻に布団に入っている。
昨年度 | 本年度 | |
毎日同じぐらいの時刻に布団に入りますか(週5日以上) | 89 | 91 |
何時ごろに寝ていますか(21時半ごろまで) | 76 | 84 |
◇ 9割以上の幼児が毎日同じ時刻に起きている。
昨年度 | 本年度 | |
毎日同じ時刻ぐらいに起きますか(週5日以上) | 91 | 93 |
何時ごろに起きていますか(7時まで) | 82 | 86 |
◇ 9割以上の幼児が朝食を毎日食べている。
昨年度 | 本年度 | |
毎日十分な量を食べている | 48 | 52 |
毎日食べるが、量は少ない | 46 | 42 |
◇ 平日にテレビ(YouTube含む)やゲームに触れる時間は1時間から2時間程度が多い。
昨年度 | 本年度 | |
1時間ぐらい+2時間ぐらい | 69 | 65 |
3時間ぐらい | 14 | 12 |
4時間以上 | 3 | 2 |
◇ 約8割の保護者の方が、お子さんと自然と触れ合った遊びをされている。
昨年度 | 本年度 | |
よくする | 32 | 33 |
機会があればする | 52 | 49 |
◇ 約7割以上の幼児は、1週間の内、1日以上絵本(本)に触れる機会をもっている。
昨年度 | 本年度 | |
1日から2日 | 37 | 34 |
3日から4日 | 21 | 20 |
5日以上 | 24 | 19 |
■児童(小学校1年生,2年生)の調査結果から(単位:%)
◇ 約8割の児童が理想的な睡眠時間を確保している。
昨年度 | 本年度 | |
平日1日当たりの睡眠時間は、何時間くらいですか。(9時間以上) | 80 | 79 |
何時ごろに寝ていますか。(21時ごろまで) | 74 | 75 |
毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか。(週5日以上) | 88 | 89 |
◇ 9割以上の児童が朝食を毎日食べている。
昨年度 | 本年度 | |
毎日十分な量を食べている | 56 | 59 |
毎日食べるが、量は少ない | 38 | 37 |
◇ 平日にメディアを利用する時間は1時間から2時間程度が多い
平日どれぐらいの時間、テレビやDVDを見たり、ゲームをしたりしますか。 | 昨年度 | 本年度 |
1時間ぐらい + 2時間ぐらい | 68 | 70 |
3時間ぐらい | 12 | 13 |
4時間以上 | 4 | 2 |
◇ 21時までに寝る児童と22時以降に寝る児童に、下のような差がみられる。 ※数値…令和3年度(令和2年度)
平日、テレビ(YouTube含む)やゲームに3時間以上触れる | 朝食を毎日充分な量食べている | 朝、自分で起きている | |
21時までに寝る児童の内 | 12%(15%) | 63%(60%) | 40%(38%) |
22時以降に寝る児童の内 | 32%(26%) | 49%(44%) | 12%(14%) |
- 遅くまで起きている児童の方が、テレビ(YouTube含む)やゲームに触れる時間が長い。
- 早く寝る児童の方が、朝食を十分な量食べている。
- 早く寝る児童の方が、朝、自分で起きる習慣が身についている。
■調査結果全体からみえること
○ 令和2年度との差はほとんどなく、良好な生活習慣を維持している
調査により、約9割の幼児が同じ時刻に布団に入り、同じ時刻に起きていることが分かりました。また、およそ8割の児童が毎日9時間以上眠り、9割以上の幼児・児童が毎日朝食を食べていると回答しました。令和2年度の調査結果と比較すると、数値はほぼ同様でした。幼児の睡眠時刻と朝食については、昨年度より少し良好な数値になりました。多くの保護者が子どもの規則正しい生活習慣を意識し、子どもが早く寝ること、睡眠時間を確保すること、朝食を食べることなどに取り組まれていることがうかがえます。一方、約1割の幼児は、遅い就寝時刻や遅い起床時刻などの傾向がみられました。幼児・児童の生活習慣は、家庭や保護者の生活リズムが強く影響します。ご家庭の生活リズムを見直すきっかけとして、本調査による報告や眠育パンフレットの情報をご活用ください。
○ メディアとの付き合い方が生活習慣改善のカギ
平日のメディア利用時間は、1時間から2時間が多いことが分かりました。3時間以上利用しているという回答が1割を超えており、メディアの長時間利用による成長への悪影響が危惧されます。自由記述では、182の記述のうち、「YouTube」という単語が16件、「ゲーム」という単語が14件ありました。多くの保護者にとって、子どもたちのメディア利用時間の長さや使わせ方は悩みの種であることがうかがえます。
メディアの利用時間は、就寝時刻と相関がみられます。早く寝る児童より遅く寝る児童の方がテレビやゲームなどのメディアに触れる時間が長いことが調査結果から分かります。
○ お子さんの健やかな成長に向けて
「早寝、早起き、朝ご飯」は生活習慣の基本です。規則正しい生活習慣は、感染症予防の観点からも大切です。バランスのよい食事と十分な休息、正しい睡眠習慣は子どもの脳・体・心を育て、免疫力を向上させます。今後も子どもたちの規則正しい生活を意識しながら、子どもたちが体力的にも精神的にも安定して生活できますよう、見守りをよろしくお願いいたします。
生活習慣を整えるコツ
子ども達の生活習慣を整えるために、保護者の皆さんが工夫されていることをまとめました。参考になるコツや工夫が満載です。
〇睡眠について
<困っていること> ・寝る時間が遅くなってきている。21時頃に寝られるように整えていきたい。 ・寝る準備が遅くなってしまう。テレビをだらだらと観てしまう。 |
<うまくいっている工夫> ・はやく寝てほしい日は、泡ぶろにして早く入らせて遊ばせると、つかれてすぐに寝ます。楽でおすすめです。 ・寝る時間の10分前にアラームを鳴らしています。アラームが鳴ったらトイレに行って、部屋へ行くというルールにしています。 |
〇遊び方について
<困っていること> ・外でもっと遊んでほしいが、家の中でゲームやYouTubeで遊んでいることが多い。 ・YouTube、テレビが好きで、放っておくとずっと見ているので時間を決めているが、見たがる。 |
<うまくいっている工夫> ・気分転換するために、外で日光に当たるようにしています。シャボン玉や鉄棒の練習、自転車に乗るなどします。 ・週末(土日)のみ時間を決めて、ネット、ゲームをする約束をしている。 ・平日はテレビを1時間くらいで止めますが、土日はよほど長くなければ良しとしています。 |
〇心の安定について
<困っていること> ・気分のムラが激しい。小学校ではおとなしいらしい…家ではすぐ泣いて叫ぶ。 ・学校では”とても良い子”のようですが、家では正反対であることが多い。愛情不足かと心配になる。 |
<うまくいっている工夫> ・抱きしめてほしいと言われた時は、できる限り手を止めて対応するようにしている。子どもが話をしたいタイミングのときにしっかりと聞いている。 ・環境ががらりと変わって、日々精いっぱい頑張っているので、なるべく甘えさせ、本人の意思をなるべく重視するようにしています。 |
〇行動のうながし方について
<困っていること> ・どうしても朝起きてからの用意がスムーズにいきません。いつまでたってもダラダラとソファで寝転がっていたり、ごはんを食べ終わってもすぐに着替えたりしません。親が怒って、しぶしぶ動き出す毎日です。 ・まだまだ自分からすすんで何かをするということはほとんどなく、私が声をかけて、嫌々するという感じです。 |
<うまくいっている工夫> ・以前は「~しなさい」とすぐ言ってしまっていましたが、「~してくれると助かる。嬉しい、気持ちがいい」などと言うようにすると、素直に行動してくれることが増えたと思います。 ・ホワイトボードに「やること」「できた!!」を記入し、「やることリスト」を記入したマグネットシールを貼る。学校から帰宅したら、すること順に上からつけ、できたら「できた」のところに移動させる。 |
〇行動のうながし方について
・まず、本人の言いたいことを聞いてやっています。「聞いてもらった!」と安心して笑顔になり、次の行動がやりやすいように感じています。 ・毎日の出来事を家族みんなで話し合って聞き合って、楽しかったこと、嫌だったこと、どう思ったかなど、一緒に共有している。 |