趣旨
平成28年12月16日に「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行され、同和問題の解決に向けた学校教育の果たす役割が大変重要となっている。そこで、「部落差別の解消の推進に関する法律」成立の背景や課題、教職員としての責務に関する講話及び具体的な教材を取り上げた指導に関する演習等をとおして、人権教育担当者を中心に、教職員の人権意識の高揚と実践的指導力の向上に向けた研修会を実施する。
概要
○日時 令和6年11月12日(火) 15:00~16:40
○場所 丹波篠山市役所第2庁舎 2-301,302会議室
○内容・講師等
講義「部落差別解消のための実践的指導力の向上をめざして」
講師:兵庫県教育委員会事務局人権教育課 指導主事 後藤英之 先生
○参加者 36名(各校人権教育担当及び希望者、都合により4名欠席)
参加者の感想(抜粋)
- 情報化が進み、子どもたちがいつでもどこでも同和問題と出会う可能性があるこの時代に、歴史的な背景はもちろん、子どもたちにとって身近な問題を取り上げた授業を展開し、正しい知識をもって問題と向き合える力を身に付けさせることの重要性を感じました。
- 部落差別の歴史や教科書掲載の内容はもちろん、「ほほえみ」の教材について、そのねらいや授業のヒントを教えていただいたことが心に残りました。
- 結婚差別をテーマとして授業をする予定にしているので、指導案や教材を活用して授業をしたいと思います。継続して勉強していく必要性を改めて感じました。
- ちょうど人権の授業を行う時期でしたので、最新の知見を教わり、指導について見直すことができました。インターネットによる誤情報の拡散など、気づかないうちに人権侵害が起きやすい社会状況となtっていると感じます。だからこそ、義務教育の間に、正しい知識と判断力を育てられるようにしたいと思います。
まとめ
部落差別の歴史的経緯、現状と実例、同和学習・歴史学習における指導のポイントを柱に、全て根拠に基づく説明で、本当に理解しやすい講義であった。
「中世・江戸の歴史的経緯」「解放令以後の差別の実態」「部落差別の現状」における内容は、私たち教職員が正しく理解するために必要なことばかりであった。また、YouTubeにおける差別動画や県民アンケートからも、部落差別が根強く残っていることを実感させられた。「寝た子を起こすな論」が、学校教育においても間違った考えであることも、理論的に教えて頂いた。後半は、「同和問題に係る授業の難しさ、授業のねらいを何におくか?」を中心に、実際の資料や指導事例を使っての講義は、実践的指導力の向上の機会となった。